詩人:甘味亭 真朱麻呂
町は賑やかに
出店や抽選会を催してる
それは夏祭りの合図でもある
花火の音で始まる
君は着付けてもらったらしい夏らしい着物に着替えて
夕方頃
河川敷で待ち合わせ
ちょうど君がきたのが
花火の始まる頃で
花火は頭上高く
音を立てながら火薬のによいと一緒に
空へ舞い上がる
君は花火の一つ一つが上がるたびに
驚いた顔で空を見上げ
ハイなテンションで僕に喋りかけてきた
時を越えた 今
僕はもう一度
久しぶりに君に会える機会ができて
あのときと同じこの場所で花火でも見ようと約束した
思い出のあの場所で
君がこないまま
花火は上がった
それは一昨年のクラス同窓会で
知った彼女の事故死
それでも僕はあの日君と見た
思い出のこの場所で来るはずもない君をずっと待ってた。