詩人:甘味亭 真朱麻呂
なるたけ君には尽くしてるつもり
だけどそれは飽くまでも自分の評価であって
君がどんな風に受け取っているかは想像に難くない
長期休暇の高速は信じられないくらい混雑していた
ラジオを消して
たばこももみ消して
君に携帯で電話する
『今夜は遅くなりそうだから夕飯はいいや。途中で食ってくるわ…』
そう告げた後で返事も待たずに僕は携帯のOFFのスイッチを押した
再びラジオのスイッチをつけて
たばこの火をつけた
ラジオから聞き覚えのある懐かしい歌手の声が聴こえる
窓の外には輝く
まん丸なお月様
吐き出す煙は風に乗り揺らいですぐ消えた
前の車が進み出した分だけ同じく前に進ませた。