詩人:遥 カズナ
あの空の星の瞬きに
ときめくとか
話す僕に
もっと
もっとちゃんとしろ
と君は胸ぐらを掴む
いやだいやだ
もっともっと
だらしなくしたい
ふらちに遊びまわりたい
詩のかくしんの
周辺は
あまりに
不穏でいたたまれない
その縁には
おびただしい
巡礼者の死体が
転がっている
そんな嘘が
書きたくなる
到底、僕にはできない
だって外では
あんなに
ほら
遥か幾億光年の彼方から
たどり着いた
星々のさんざめきが
美しいじゃないか
こんな
稚拙な文章を数百年、数千年、数億年
反芻する読み方もあっていい
貧弱な
読解を慈しむ
無限に他愛もない
先々も
きっとあって
いい
そっと
しておいて
おくれ
もう少し
空を
眺めていたいんだ