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詩人:甘味亭 真朱麻呂
地球という海の中でみんな魚になって泳ぐ
それぞれが夢の尾ひれつけて
でも僕はいつまでも泳ぎがうまくなれない
みんな笑いながら夢を叶えてくのに
焦りや不安数え切れぬほど抱えて生きる
星はきっと今夜だけでも億は流れただろう
僕ら 魚のくせに泳ぎ方さえなっていない
まるで鳥のくせに空を飛べずに海を泳ぐペンギンみたいさ
でもそんな魚だってきっと生きる意味はあるんだ
楽園はいつもすぐそこにあるから 今からでもふたりで探しにゆこうよ
オリジナルの色をこのままみつけられなくても
君は君の色
心にだれだって持ってるから大丈夫
飛べなくても翼広げてごらん
その挫折が明日を変えるんだ
その悔しさが未来に新しい光を生みだす
僕ら 飛べない鳥
フライアウェイはできない
空はただあこがれるだけでいい
たとえ飛べなくたって
この地上にも素敵な夢はあるから
海の幸をわざわざ取りに行かなくても
山の幸がある
特産物をわざわざ産地まで食べにいかなくても地元にあるそれなりの店で十分だよ
ただ本物志向でなくとも
偽物なんかはない
すべて本物さ
味の違いや値段の違いはあっても
きっとこの翼は僕だからあつかえる代物
きっとこの空は自由に飛ぶためだけにあるんじゃない
鳥だからといって飛ぶはずだなんて思い違いされるけど
僕は飛べなくたって僕のまま
それが僕らしさ
そう思えたら素敵
雨マークも天気図から姿を消す
だから 明日はきっと晴れる
翼はあれど飛ばない鳥は語る
しゃべれる口はあれど無口な僕のように
歩ける足はあれど外出の嫌いな君のように
誰かがあこがれるものを持っててもそれを良しとしない人もいる
僕がいる ここにいる
だから飛べない翼は飛ばない翼
この翼は飛ぶためにあるんじゃない
だから僕にはもとから翼はない。