詩人:さんだーそにあ@
『どうしたの?こんなところで』
「何もしてないよ。ただここで星を見てるだけ」
『ふーん、綺麗な星空だね』
『ねぇ』
「うん?」
『星って下から見上げるとキラキラ輝いてキレイだけど、星から見た私達ってどう見えるか分かる?』
「星から見たら、か。そうか、考えもしなかったよ。見てるってことは見られてるってことでもあるんだね」
『それで?』
「やっぱり、星から見た僕達もやっぱり星に見えるんだと、思う、違うかな?」
『言っていることは正しいよ。それは間違いじゃない。でも星が見てる星って、惑星とか世界とかそういう大きいものじゃなくて大好きなただ一人のことなんだよ』
「へぇ、だったら僕を見ている星もあるってこと?」
彼女はゆっくりと頷き
ゆっくりと消えていった
僕は驚かない
結局は彼女は誰だったのか、何だったのか、
僕は知ることは出来なかった。
考えたいことも
考えるべきことも
考えたくないことも、山程あって
ちょっと避難してみた立ち入り禁止の屋上で
僕は星を見ていた
見詰め合っていた