詩人:善田 真琴
作品
「眠る来世は花の色」より
空青く
彩る景色は
花の色
街に息づく
春を感じて
懐かしく
囁く音色は
夢の色
古い石段
苔むす呼吸
艶めいて
小袖に匿す
肌の白
見初めた影は
紅の傘
鳥居下
巡る現世は
風の色
前に何処かで
出会ったような
参道の
土産物屋の
手鏡に
心時めく
貴女想えば
偶然の
数を指折り
繋いでは
一度きりと
結んだ縁
離れても
同じ夜空に
同じ月
今宵貴女も
見ているかしら
夢うつつ
眠る来世は
花の色
次も必ず
見つけておくれ
原詩/枝豆さん
編歌/不肖善田
2012/03/31 (Sat)