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詩人:右色
五月が終わったと気付いた
ある六月の朝
ずっと遠くに海と
真っ白な月が見えたから
今なら
何をやっても
どんな結果になろうと
楽しめる
そんな気がするんだ
ここがもう
行き止まりだと思っていた
だって
壁があるんだ
進めないんだ
思えば
そんなのただの笑い話で
何の事はない
覚えてないだけで
僕は
僕の始まりに戻って来ただけだった
それは
実にありきたりで詰まらない疑問だ
しかし
僕の全身全霊は
そんなものから始まったのだと思うと
妙に納得もできる
そろそろ退屈にも飽きた
考えることを止めるつもりはない
けれど
自分ではない
誰かのことを考えてもいいと思う
うん
どうせなら面白いヤツを探そう
何
夜も砂浜も
まだ遠い
歩ける距離も時間も
まだまだ
たくさんある