詩人:遥 カズナ
プラスチックやら
ビニールやらのゴミが
まだ
あまり無くて
ささいなものなら
どこへでも
投げ捨てられた頃
港で見上げると
圧迫感さえ感じる
客船が出港する
「ボーーーーーー」っと
汽笛が轟き
幾つもの色鮮やかな
紙テープが
空を背してたなびき
岸との狭間に
満開の
色とりどりの想いを
細長く撒き散らす
要らなくなったから
離れていくわけではない
握り締めた
紙テープの両端を
互いに
一度でもいい
血みどろの
殴り合いの喧嘩でも
やってみるべき
だったのかも
しれない
ちぎれて
捨てさるしか
無いくらいなら
2021/09/12 (Sun)