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詩人:甘味亭 真朱麻呂
亀の歩く速度でゆっくり世界は進む だけど確かに僕らはいつかの今日に白目を剥(む)くよ
鶴のような長いくちばしでいろんなアイデアをつまむ
亀の寿命、万年ほどの時間の中で人はたくさんの足跡を残す
鶴の寿命、千年ほどの時間をかけたって解らない哲学が人をこんにちも迷わす
次の次の次の次の時代にまかせたって
次の次の次の次の何千年後の人たちに頼ったってムリなものはムリかもしれない
だってたかが僕らは亀や鶴だから
ただ時間がほかの動物より長いだけでなにも解らない
人間なんて威張ったって無力の権化(ごんげ)だよ
俗物の塊(かたまり)だよ
ねえねえ 鶴さん亀さんダルマさん
なにが転んだって
いつに転んだって
こっち振り向いたって
結局はぜんぶいつか消し飛ぶ記憶だよ
だから気が狂うほど悲しくてうれしいんだ
そのぶん 人が恋しくて憎らしくて ときに抱きしめたくて抱きしめられたくて涙がほおを伝うけど
それも気にせず笑いなさい
いつもいつもおめでたな人であれよとおっ母(か)さん
あなたの笑顔を糧にして私は進む
僕もまたあなたの影を見習います
明日に向かって
歩いてゆくよ
夕陽に向かって
突っ走るから 見ててね
今日のお次は明日と
明日のお次は明後日と
相場は決まっちゃってるけれど
それはそうと割り振ったらなにもかもをも光に変えて
まっすぐその方向へただまっしぐら
口を動かすよりもまず足を動かせ
そういう奴等なんて無視して
しゃべりながらでもいいよ
楽しく愉快に歩ければ最後がよければすべて良しと笑えるから
さあそんな終わり描いて今は今は明日は明日を楽しもう
ただ、今この時
ただ、今この瞬間
楽しんで 楽しんで
いつでも心に太陽を昇らせてほんの百年ぽっちの時間でも永遠ぶんの濃密さ感じながら 明日へゴーゴー!!!