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詩人:どるとる
新聞の一面に載っている無惨やな ニュース
『息子が実母を殺めた』
それも時代のせいだと ひとくくりにして コーヒーを飲む
テレビの中にうつる犯人の顔 フードで隠されて 見えないけど 一体どんな顔をしているかと思えば どこにでもいそうな普通の人の顔
今の時代 いつ殺されてもおかしくない時代だよ
そんな時代にしたのは誰だ 誰でもないね
すべて時代のせいにして 都合の悪い自分らのダメなところはモザイクで隠してしまえばいいよね
傍観者のように なんやかんや言うだけで
かわいそうとは思いながらも なにもしない僕らは 貧しい国に募金する事さえ やらない あまのじゃく
行動と気持ちが整わない 僕らはへそ曲がり
時代のせいにするだけして 僕らは蚊帳の外で 酒をあおり 肴を食い散らかして 肥え太り 笑ってる
本当に悪いのは時代かな
目も合わせないおまえの顔は時代を責めておいて 少しも緊張感のないゆるんだ平成が生んだ 欠陥品
そのゆるんだ頭のネジをしめてほしいもんだ
街にはびこる
非常識という服を着た無関心という看板掲げて歩く誰かさん
悪いのはきっと時代じゃない
通りのショウウィンドウに映るおまえの間抜け面。