|
詩人:甘味亭 真朱麻呂
明日も生きたいけどなにかに縛られてまでは生きたいとは思わない
死ねる理由があるならばこのまま僕は死んでしまうのかな
でもなぜかそんな理由がみつかることにおそれて僕はひと月経ってもふた月経っても生きていた
「生きる」って事はとても簡単なようである意味ではとても難解で
それとおなじに
「死ぬ」って事を選ぶことも簡単じゃないんだ その痛みや苦しみをおそれるあまり生きる事のほうが痛みは少ないと
今日もさんざん死にたいと言ったけど
結局行動さえ起こさずに一日が暮れてゆく
生きる痛み また死ぬ痛み
人はその狭間で今日という一日も苦しんだり迷ったりしてる
頭を抱えて たくさんの選択にせまられて
逃げるように夢の中へゆけどもすぐに目がさめてしまう
生きる事にも痛みはついてくるんだよ
ふと目を凝らせば
ほらまたたえきれず命を放り投げる人の影
それもまたその人の選んだ明日 信じた光
人々の明日は光ある世界ばかりじゃない
行き先は様々さ
もしかしたら僕の明日も二度と目覚めぬ世界かもしれない
月がぼんやり闇の中さまよってる
ただそれを眺めて見送るばかりの日々に飽きたらきっとこの命長らえる時間さえ退屈に感じてしまうかもしれない
それくらいこの世はとても憂うつなんだよ
楽しい事がある
その裏にはかならず悲しみが眠る
ほらまた死にたいの繰り返し
何度目で僕は死ぬのだろうか
言葉にしただけで
痛みのない死がおとずれるなら一番いいのに…なんてつぶやき今夜も眠る
頼りない朝の光とその目覚めをただめざしてうつろいゆくときの中でただ終わりを待つ
喜びなどそれを紛らすただの退屈しのぎ
笑顔など素敵でもなんでもないよ
愛想笑いの練習さ
それもまた人の考え方ひとつ
ゆがんだ鏡に斜めにさす光 その先にはいつも色のない僕の笑顔が悲しく映る。