詩人:剛田奇作
恋がしたい
原人並の
もう口が苦くなっちゃうよーな
毛玉が飛んできてくしゃみしちゃうよーな
恋がしたい
生煮えの失敗の魚料理みたいな
虹の上をまたいでずっこけるよーな
あぁ 恋 、 恋
湿ったバスタオルが愛しいほど
欝陶しいくらい関係のないもの
在りそうで無かった
安くて甘い缶詰
自分の名前も忘れるほど
咳こむくらいに笑って
凹むくらいの勢いで
勝手なほど
自己満足でいい
すべて巻き込んだ上
示しがつかなくて
傷つくのにも気付かないほどの
どこにもない原色の中で
足すも引くも割るも掛けるもできない
操るでも従うでも流れるでもなく
ただ間抜けに踊るのにも一理あって
永遠ばかりがいい訳でもないよな
綿菓子の雲を奪うような
初めてのチョコケーキを崖から落とすような
怒りすぎて抱腹絶倒みたいな
そんな 意味のないほど
愛しい
恋がしたい