詩人:まとりょ〜鹿
時に満たされない振りをして
「愛が欲しい」と無常の空に投げる
時に空腹な顔をして
「満たされない」と舌を出す
欲望は獣だ
そして言葉はいつも意味が伴っているとは限らない
彼女は言った
「愛が欲しいのよ」と上っ面な微笑みで
擂り潰すように 寝具の上で
「ありがとうね」と上っ面に笑みを浮かべ
何を知らない振りをしろと云うのか
与えた振りをしている彼女は付け上がる
何を知っていれば善しとしたのか
私は一時間の休息を欲した
何層にも重ねて潰し積み上げたのは
愛 だったのか
虚空 だったのか 溜息 なのか
二人にしか知らない
知ることの出来ない空白を
彼女はまた、どんな上っ面で
この関係に名称を下すのでしょう?
そっと目を閉じて
彼女の口元を見ない事に決めた