|
詩人:どるとる
今日も1日ご苦労さま
いろんなことがあったけど
終わり良ければ全てよしってことでまあもろもろのことはご勘弁を
さよならなんて ありふれた言葉でお別れする気はさらさらなかった
でもね さよならって言葉がこんなに似合う空の色はほかにはないよね
別れ道 夕暮れ
カラスの鳴き声
つまらないくらい
ありふれた景色なのに
どうしてこんなに泣けてしまうんだろう
夕暮れにほほをやさしくぶたれて切なくてたまらないよ
明日もきっと今日みたいにあっけなく終わるんだろうね
大したこともできずに気づけば時間だけが無駄に過ぎて
何もかも要らないから
命と家だけ残したら
欲望という気持ちを消し去って 当たり前な毎日を当たり前のように愛せる心を
神様 僕にください
僕の目は節穴でした
どうしてってくらい見えなかったよ
あれもこれもここにある全ては当たり前のようで当たり前じゃない 何もかもが特別なものだってこと
人の命はやがて あの夕日のように どこかもわからない場所に沈んで行ってしまうけど
限りある命だからこそ
限られた時間の中で精一杯生きようとするんだな
そんな簡単なことさえわからなかった僕の心をも やさしく包み込む夕暮れの偉大さよ
十分優しさは伝わった ありがとう
そして僕はなんのためらいも 迷いもなく
言うのさ 言うのさ
さよならって
夕暮れにぶたれたほほが赤く染まるのは
最後の夕日の色が
僕のほほに移ったからかな
涙がほほを伝う
言葉にならないよ
でもそれでいいんだ
なんとなくだけどそう思った いつもの夕暮れ
いつもの夕暮れ
今は月明かりに照らされて 僕は家に帰り着く。