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詩人:甘味亭 真朱麻呂
やがて終わる時間が大切だと気づくまでずっと僕は
自分の中だけで流れる時間を巻き戻してなにが間違いなのかを探す 探す 探す
上下 左右 四方八方 東西南北
全てに目をむけて全てに目を配る
『全てが正しい流れであった』
そう確信できるまで何度も自分の中の時間を止めたり巻き戻したりする
決して早送りはできないから急がない
だから慌てない
だけど忙しくもなくもない
やらなきゃならない時はあるけど
決して急がない
だから走らない
小さな石にも油断して転ばないように地面にも目をむけて
気を張るときは気を張ります
リピート再生…!
巻き戻し
トゥルルルル…
リピート再生…!
再び巻き戻し
トゥルルルル…
何度でも見直したり凝視したり
なんとか間違いや誤りを 探す 探す 探す
ないはずはないから
僕は自分のふがいなさやいたらなさを素直に受け止めて
探す 笑う 探す 泣く
その合間に一息
そんなふうに生きていきたいものです
周りの足取りや速度やはやりに気を取られず自由気ままにマイペースで
そうすればもっと人生をゆっくり楽しめるのに
なぜか通り過ぎる景色さえ速すぎて何なのかさえわからない
ただモザイクみたいな景色じゃ汚くて見られたもんじゃない
なぜかな
リピートしても巻き戻ししても何回見直してみてもわからない
頭の中じゃ記憶しきれない失態を細かな傷がじゃまをして
または自ら思い出すのを拒絶して記憶を無意識のうち牢屋に閉じこめてしまうから
ただ1つ また1つ
真っ白く塗りたくられた記憶が点在している
私の記憶の中腹に復元さえ難しい困難を極めし記憶の障害
もうお手上げだ
たぶん全てはやり直せない
それが過ぎた時間の代償なんだから…
手の施しようがない記憶もまた無理もない内に入るかな 放っておいても許されるかな?