詩人:フィリップ
まるでドラム打ちのような感覚の日々と
不安と希望を乗せたテーブル
制服を着て
朝刊を放り投げて
今日は何分風をきろうかと考える
3月2日
その花片は二階辺りの窓から
ヒラリと降りてきた
アルペジオの調でもって
愛を謳おうか
校歌を歌おうか
迷っている
僕と君の時間だけが
ゆっくりと流れていく
三年、という月日はいつも
人間を一人おいてけぼりにする
USBに保存した記憶は
一分一秒単位で刻み込まれたものばかり
今日という日が
三年、という月日よりも
どれほど長く感じられるだろう
永遠という言葉に酔いしれた夜は
今日以外には有り得はしない
小田の流れの水清く
桜の花の咲くところ
校歌の一部を口ずさむ
三年間存在した世界は消えて
今はただ
歌詞の一文だけが
音像となって
風に流れている