詩人:遥 カズナ
いつでもいい
どこであろうと
呼んではくれないか
俺の名前を
狭い路地裏
鈍い音がして
尻もちをつくくらいに
出っ張ったコンクリートに
頭をしたたかぶつけて
見上げると
俺の名前を
呼んで
腹が千切れそうな程
笑っていた
そんなに
可笑しかったか
ふらふらしながら
嫌では
無かった
俺の名前を
呼んでくれないか
そんなに
そんなに俺は駄目か
深夜に
闇鍋を外でして
低く垂れ込めた鰯雲が
大空を覆って
沈む月が
雲と水平線の間に差し掛かる
あんな荘厳な景色は
二度と見たことがない
また
俺の名前を
呼んではくれないか
2021/11/07 (Sun)