詩人:高級スプーン
人として
扱われなくなった
小動物より
虫よりもヒドイ扱いで
要らないものとして
道端にポイ捨てされた
たまたま不死身だった
アザだらけにされた体も
むしられた髪の毛も
砕かれた骨も
あぶられた性器も
ミンチにされた内蔵も
元通りの姿になった
感覚が無くなればいい
感情が消えてしまえばいい
そんな程度じゃない
精神的にも
肉体的にも
ボロボロだったのに
簡単に正常に戻ってる
最初から異常に狂ってる
生きている価値もないと
何度言われても
何度殺されても
生きている
まだ生きている
誰か一人でも
人として
見てくれなくなったら
その時点で
幸せになれないのか
普通さえ望めないのか
地獄を見るしか
死ぬ以外に
逃れられる方法は
生きている間に
楽になれる方法は
無いのか
死にたい
死ねない
死にたくない
生きたい
人として生きたい
人として生きられない
どこにも逃げられない
逃げなくてもいいような
居場所もない
それなら
死ぬ以外に
どうすればいい