詩人:甘味亭 真朱麻呂
月はいう
私は夜の住人だと
夜に住んでいるからと
太陽はいう
私は朝の住人だと
当然朝に住んでいるから
では僕はなんの住人?
家はある 金もある
仕事もある
だけど何かが足りない 何かがわびしい
そんな僕はどこの住人?
まあ 言うとするなら
地球という惑星の住人だね
なんとなく もっともらしいけど
納得できる答ではある
裏付ける根拠もある
だから 解ったよ
僕は地球の住人だ
月は夜の住人
太陽は
今 いる場所がその人の住処
住処をもたない人はいない
なぜなら存在がそこにいるから
居場所を見失ってるなら
教えてあげる
君の居場所は地球だと
君は地球の住人なんだ
だから心配しないでもいい
地球は見捨てない
地球はずっと君を住まわす
母なる地球は母なる思いで君を照らす
ぐるぐる 回りながらあなたの目を回さぬように気づかないくらいゆっくりと
まるでひとつのゆりかごのように全ての人をあやすんだ
泣き叫ぶ人をあやすんだ
人は地球からすればみな子供だから
青い青い地球にあやされるんだ
だから泣きなさい
甘えなさい
地球は君の第二の親だ
地球は親に次いで二番目に近しい存在だ
だから 泣け だから 笑え
地球の住人として
地球の子供として
生きてる火花散らしていけ
豪快に豪快に散っていけ
線香花火 ポトリ
地面に落下するまで
はかない命は続くから
それまでどうか死んでしまわずに自分を最後まで名乗りなさい
迷ったとき悩んだときは青い青い地球を見よう
ばからしくなるだろう
あほらしくなるだろう
そんなに簡単じゃない
眼前の問題はちっぽけでも山ほどだから
とても悲しい現状です
だから 心は地球と同じ色に染まるんだ
それこそが地球の子供の証だよ 青い青い地球の住人よ。