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詩人:浅羽
狂っているんだ
知ってるよ
重量に引かれて落ちて行く
真っ直ぐに歩けないんだ
少しだけ夢を見たよ
色褪せた思い出
楽しかったあの頃
もう戻れないとは
信じたくないね
等価値の愛を
僕等は持っていなかった
ただそれだけなんだ
僕はシーツにくるまった
負け犬みたいだ
降参したんだ
わかってるよ
夜に連れられ眠っている
もうどうしようもないんだ
ずっと消えないんだ
鮮やかな傷痕
苦しかったあの頃
戻りたくないって
切に願うよ
等価値の愛を
僕等は持っていなかった
それだけなんだ
僕はシーツにくるまった
負け犬みたいだ
僕等を繋ぎ留めていたのは
ほんの小さな感傷と
互いに持ち合わせた自衛権だけ
割れた硝子は戻らない
どんなに綺麗な朝焼けでもね
等価値の愛を
僕等は持っていなかった
それだけなんだ
僕はシーツにくるまった
負け犬みたいだ
君の夢を見てる
幸福論を数えて
もう少しだけ
帰って来るのを
待ちながら