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詩人:A
身体が冷たい
小指だけでも
繋いでいたい
目を合わせて
目で探って
願うのだろう
耳の中で廻る
ぐるぐる輪廻
既聴感
クレゾールの
アレの頭文字が
パラレルって
意味だったなんて
私は死んでも
知らなかった
あなたの居ない
私がいる部屋
そこは誰かの脳内
騒がしい声や
暖かい温度
屈託なく笑う
滝のような怒号
夏の日差しに
妬かれた私と影
経験したことは
無いはずなのに
どこからか涌く
既視感という虚言
そこはどこ
あなたのパラレル
私のイノセンス
全部モノクロ
綺麗
安定剤は要らない
中和剤が欲しい
もう行くの
まだ行かないで
ちょっと待って
もっとちゃんと
まだちゃんと
診てない