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詩人:高級スプーンあと何年
ぼくらは毎日死んでいる
睡眠イコール自死との仮説
先生の意見が正しいならば
前述のとおり
眠らないのは
明日よりも死を拒んでいるのか
起きたくないのは
どこにも行きたくないんじゃなくて
逝きたくないんじゃないか
だったら先生
あの子だって
必ずしも死にたいというわけじゃないのかも
かもしれない論は
何でも比喩にしちゃう論と同じく
本心を嘘偽りなく
混じり気なく
話しているわけじゃない
のに
そうかもしれないと思わせる技術
流石です先生
眠れないと言っても
眠るんでしょうあなた
でないと死ぬ
翌朝
蘇ると
昨日さっさと
死ななかったことを後悔し
きっと
今もどこかで生きている
先生
先生
永い眠りにつかないで
良い顔しないで
はやく起きてよ
ねえ先生
誰だって
眠りにつくのなら
純度百パーセントで
生きたい人もいない
私もそろそろ