詩人:夜深
耳が擦り切れていくよな、爆音は
ただの線香花火の ぱちぱちっていう音だった
私はあなたに何を
求めているのか
今 迷いながら
ほら 空 見上げたけど
あの日から 高鳴る胸の音は
解き放たれることもなく 鳴り止まない
耳を塞いだ
怖いのは嫌だから
あなたは私に何を
求めているんだろ
分からないから
苦しい
ざらつく頬に風が当たるけど
それさえも鬱陶しい
海の奥底には
君のように
あたたかい人はいるでしょうか
もしいたら
私は海に今すぐ飛び込みます
飛び込んで
この想いを吐き出してから、飲み込んで
また泣いて
飛び込んだ海の上に
拡がるのは 夜の安堵感を縫い合わせた夜空だ
崩れていく自由の
翼なんてないと願った
あなたにも私にも
空を自由に飛ぶ翼などない
多分、
海を自由に飛ぶ翼は背中についてるけれど。
瞳が擦り切れていくよな、光景は
ただのあなたの 笑顔だった
まぶしくてたまらない
まぶしくて痛くてたまらない
花火の音にかき消されていく
青い空を飛び回るための 恋の翼。