詩人:どるとる
夕暮れ 自転車に乗って 宛もなく 出かけた 土曜日
小さな夢と 少しばかりの期待を胸にして
きれいなきれいな
夕暮れの空の下
自由に羽ばたく鳥のように僕は大地を飛び交う羽根のない旅人になる
人の人生を笑う人に
人の苦労なんかわかるはずもないんだ
どんな事があったって生きていくことのほかに素晴らしいことなんかない
生きていればこそ
悲しいこともあるけど
こんなふうに人を心から愛することだってできるんだ
だから涙の雨に降られても 大丈夫だよ
言い聞かせて
歩いて行こう
五月雨 降りきって
カレンダーを見れば
季節は九月のあたま
風に吹かれて 孤独を一層 強く感じる季節になれば 凍える胸が切なくて 思わずこぼれる涙 真夜中に輝く
月をにじませてゆく
どんな事があったって生きていくこと事よりも大事な事などないから
生き方などはべつとして どんなに不器用な今を生きてる人の人生も一度きりだから どんな人生も意味のない人生なんかじゃないさ
だから誇りを持って今を生きよう
どんな悲しいことがあったって 生きてる自分を誇りにして
どんな悲しいことも今までのように乗り越えていこう 結果などついてこなくても生きることに意味がある だから歩いて行こう
いつものように
へたくそな口笛を
吹き鳴らして
涙止まらぬ夕暮れに
今日もありふれた言葉をつぶやくよ
ああ きれいだな
生きることの全ては毎日の普遍的な繰り返し その繰り返し
自分が思うより
うまくやれてるよ。