詩人:望月 ゆき
あしもとから 垂直にたちのぼる無数の、泡音もなく こわれてゆくもののスピードとめるてだては、ないわからだをかたむけてももう、おいつかないはじける、はじける、コップのふち今にもあふれそうな夜の水面でわたしたちは いつもコントロールされながら右へ、左へ、呼吸をくりかえすばかり音もなく こわれてゆくもののスピード見失いがちで、それはてのひらをひらいたつぎの瞬間にさえあとかたも、ない