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[171226] 黄昏カプチーノ

詩人:どるとる


こんなふうに毎日 ふつうに暮らせることが何より 幸せなこと
たまに忘れがちになるね

秋めく街の中
手を伸ばせば
手のひらに
はらりと
木の葉舞う季節
もう少し
歩き続ければため息さえも白くなる寒さがからだにこたえる季節がやって来る

当たり前なことがこんなにも こんなにも素敵なんだね
君がくれたその笑顔もぬくもりも もう少し寒くなれば 凍えた僕のからだを包んでくれる愛だと気づく

昨日に残したもの
遠い昔に置いてきたもの 黄昏の中でなんとなく思い出す
一枚上着を増やして羽織らなきゃね
薄着じゃ風邪を牽くよ
さあ 君と手を繋ごう

いつでも心に穏やかな風を吹かして 大切な人とともに歩ける今を大切にできるなら 幸せは僕の心の中にいつでもあるんだ

身も心も凍てつくような冷たい風に吹かれて 襟を立てた時
君がそっと手を握ってくれたね とてもあたたかくて 優しい気持ちになった

見渡してみれば 目に映る何もかもが 当たり前なようで なんて素敵な景色なんだろう
黄昏ている場合じゃないね 愛と夢にあふれた甘くほろ苦いカプチーノのような季節が冬の寒さに冷めてしまうまえに
寒ささえ楽しむように 君と素敵な時間の中で笑いあおうかな

味わう暇もないまま
終わる季節などつまらない
寒さを感じるまもなく 君のぬくもりが伝わって なんてあたたかいんだろう 寒ければ寒いほど君のあたたかさが際立つ季節

飲み干してしまうのは切なくって心もとないけど
季節は流れゆく雲のように 訪れては去っていくもの だから

燃えるような夕焼け空をふたり 眺めながら 黄昏てゆく世界を見つめていた
僕らの瞳に映る目の届くかぎりの世界はまだ平和というには
程遠いかもしれないけどいつか誰もが心から笑いあえる世界になるといいな

ふと そんなこと考えた帰り道
切なさをポケットに隠して 笑いかけた
赤錆色の十月。

2011/09/22 (Thu)
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