詩人:ユズル
そのひとときは その場所だけは
わたし以外 人のいのちはなくて
晴れた日の草原 夕焼けの湖
朽ち果てた煉瓦造りの家
ただ 流れる雲を 瞳に映し
透明な水のゆらいだ音を 聴き
寝そべって 冷たさとぬるさを感じて
いちばんフラットに 何も忘れて
あなたの瞳も 耳障りな人の声も
繊細なわたしには 恐れでしかないの
街が 未来が こわいから
その日のことだけ 考えるだけ
そのひとときは その場所だけは
わたし以外 人のいのちはなくて
そうしたら わたしはきっと 安らいで
微笑んで そして どうするんだろう