詩人:高級スプーン
ベットの下から
覗き込む男と
目が合った
どいてくれ
お前に用はない
その先に
俺は行きたいんだ
向こう側には
このままの姿では
辿り着けない
正体不明の怪人に
錆びた斧で撲たれ
意識が遠退く
さぁ逝こう
アチラの世界へ
夢から落ちて
胸苦しい朝と出会う
越えられない壁を
擦り抜ける事無く
再び降り立ったのは
見慣れて飽きた
コチラの世界で
自ら作った
境界線を跨げずに
立ちはだかる壁に
頭を叩きつける
狂気も妖気も
あと一撃をくれず
致命傷の無い日々
繰り返す虚無感
溢れる苛立ち
手付かずに過ごす
コチラもアチラも
同じかもしれない
という真実に
目を向けられず
自我の解放を願い
今朝見た夢を忘れ
また妄想に入る
雑念と邪念の境地で
開いたのは
瞳孔ぐらいか
ベットの下から
覗き込む男と
目が合った
どいてくれ
お前に用はない
その先に
俺は行ってどうする
魔に刺されて
操られている俺は
次に何をすればいいか
早く命令してくれ