詩人:遥 カズナ
どこを
どう見渡しても
地表の見えない
青い空を飛んでいる
飛行機のような形のものが
いや、両手を左右にしっかりと
ひろげた人か、十字架にも見える
形、その全体を
包帯のような白い布が
ぐるぐる巻きに巻き付けられいる
ところどころ、ほどけた包帯は
ヒラヒラとたなびいている
コップに水を入れて
卵を入れて
電子レンジで数分
茹で卵が出来上がると
考えて
コップを出して覗くと
爆発したみたいに
沸騰した湯と卵が
顔に吹きかかり
火傷した顔面を包帯で
ぐるぐる巻にした事がある
転校して
出席もまだ
していなかった
「誰にも見つけられたくない」
知られる必要を
探してもらうよに現れて
おきながら
公立の大学に合格した
息子の受験番号が
掲載された
合否判定が
ネットで
公開され
このさきの
ゆく先々書くために
机に近づいていく光景と
感情がある
つっぱねられそうな
風を感じながら
あれはまだ
まだ、青い空を
飛んでいる