詩人:どるとる
人は生まれながらに胸に十字架を背負ってる
やろうと思えば人を殺せるし 食おうと思えば 追いつめられたとき人も食らえる
愛は平和な場所にしか生まれないんだよ
優しさやぬくもりはおだやかな場所にしか生まれないんだよ
昔飼っていた水槽の中のざりがにが いつの間にか 二匹から一匹に減っていたのは
餌をやるのを忘れた僕が怠ったせいでお腹をすかせたざりがにが たまらず共食いしたからだ
人の命も人の幸せも空腹の前ではただの餌になる
優しさやぬくもりなんてもうきれいごとでしかないんだろうか
人を愛し 人を守り
人を尊び 人を敬う
人を労い
人に愛され 人に守られ 人に尊ばれ 人に敬われ 人に労われる
そんな形が間違っても歪まないように
今日も人と人は心と心で正しいことや間違ってること互いに探り合いながら
時にはずるいこともするけど 生まれながらに与えられた優しさやぬくもりで 互いを思いやれる
家族の笑い声 夕飯のいい匂い 家族がそろったところで いただきます
当たり前な幸せも見失ってしまったら あとに残るのはただ
むなしさと切なさだけだ
不器用なのはみんな同じだけど 誰かの涙を無視してまでも通り過ぎる人を僕は人とは思いたくない
そこにある幸せはどこにでもある幸せだけど なんて素晴らしいんだろう
今日も抱きしめよう
ふいに吹いた風に言葉を遮られ タイミングを見失ったけど
時間ならまだいくらでもあるから
今はまだ友達でいい
僕という人は
君という人の
人は完璧じゃない
だから 間違える
だから 傷ついてしまう
だけどそれでも
できることもある
たとえば 誰かを心から好きになること
僕ができることは少なくはないはずだ
人は人と今日も人と人のまま 人らしい
生活を続け 人らしく働き 人らしく時には間違える そして生きる喜びや悲しみに人生の喜びと悲しみを知る。