詩人:遥 カズナ
みたいものをみて
みせたいものだけ
みせるがいい
ボウフラがいる
血液で満タンの
頭蓋骨の中に
どこが上で
どこが下か
ききたいものをきいて
かぎたいものたげ
かぐのがいい
ぷくぷく ぷくぷく
体をくねらせ
浮かび上がる
なんの根拠もいりはしない
呼吸が出来る
方角へ
そうして、また
楽になったなら
また
深く深く
沈降していく
「ふれたい」
うつろ うつろ
ゆらり ゆらり
沈降していく
みたいものをさがし
みられたくないまま
みられぬまま
繰り返し
浮かび上がり
また
沈んでいく
ぷくぷく ぷくぷく
ゆらり ゆらり
「どうしてあなたはいつもそうなの」
「なにがだい」
「ぜんぶよ」