詩人:善田 真琴
パリパリと
ポテチを食べる
音がして
ふと目覚めれば
そこにいた人
間がもてず
何処へ行くの?
と尋ねれば
小倉に帰ると
朗らかな声
久々に
海が見たいと
山口の
幡生の町に
行って来たきみ
バンセイは
はたぶと読むの
笑いつつ
教えてくれた
さも得意気に
ガタゴトと
揺れる電車は
旅の空
それであなたは
何処まで行くの?
博多です
そして明日は
長崎へ
ふらり宛て無き
一人旅です
明日また
幡生に行くのと
あわてんぼ
メガネ忘れた
取りに行かなきゃ
海底の
トンネル抜けると
きみの街
名残惜しさに
言葉途切れて
それじゃと
先に降りてく
窓越しに
手を振るきみに
またねと呟く
また会える
そんな気がして
幡生へと
予定を変える
気紛れな旅
6月の
潮風薫る
漁村には
人影もなく
カラス一匹
砂浜に
風吹き抜ける
振り向けば
麦わら帽の
きみをみつけた
どうして?と
驚いた顔
照れ笑う
それが見たくて
ここに来たんだ
保母さんで
子供の話
ばかりして
かきくけクッキー
歌ってくれた
歳月は
夢の旅路に
今頃は
お元気ですか
しあわせですか