詩人:浮浪霊
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(ねえママ、ママはどうして私の大切なものを壊すの)
まるでお母さんが悪いみたいに言って恥ずかしい子。
貴方にとって何が大切なのか母さんに分かるわけないわ。
あんな薄汚い冊子や小物を大事だなんて、頭の異常しな子供みたいこと言わないで。
大体大切なものを私に教えてくれないなんて。
あんな引き出しの深くに隠すように仕舞っていたら、壊されてもしょうがないじゃない。
だから貴方は反省しなくては駄目よ?
(ねえママ、ママはあの仔を何処へやったの)
御免なさいね、
あの動物の臭いが移った貴方にいつまでも友達が出来ないのが心配だったの。
動物なんかにかまけて人間同士のふれあいをないがしろにする駄目な人間に成ってほしくなかったから。
それに貴方にじゃれるあの犬の目つきがあんまり厭らしくて。
貴方を躾けているのに吼えて来るのも腹立たしくて。
だから本当は貴方は母さんに感謝しなくては駄目よ?
(ねえママ、ママはどうして私を淫売呼ばわりするの)
淫売だからじゃないかしら。
私の気を引こうと、私を苛めようと、大怪我をしたり暗い顔をしたりするから。
貴方が私を嫌うから。
ママのキスを拒むから。
ママが触れると怯えるから。
犬には舐めさせるくせに。口だって舐めさせるくせに。
だから貴方が母さんへの態度を改めないと駄目よ?
(ねえママ、何がどう『だから』なの?)
全く本当に五月蝿い子ね。
沢山だわ、人が優しくしてればつけ上がりやがって。
貴方は駄目よ。駄目な子よ。
もう居ても居なくても同じだわ。
私の人生から消えてなくなってくれない?