詩人:さきネコ
気がつけば 私は
海底の中で 浮いていた
まっすぐ見つめる 視線の先に
光で奥の見えない 洞窟があった
いつもなら そこで怖くなって
あわてて水面へ 向かっただろう
でも その時は なぜか落ち着いていて
うなずいたのち 踏み込んでいった
何があるかも わからないのに
私の心は 期待に満ち溢れていた
まだ見ぬ青を 見れるだろうか
それとも 不思議に出会えるだろうか
進んだ先に 「私」が見つかった
今までずっと 気づけなかった「私」が
本当の私と ふれあうことができて
流した涙は 海水にまじり 溶けていった