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詩人:里雨夜
僕らは
だいたい うれしくて
だいたい たのしくて
だいたい ありがたくて
だいたい あたたかくて
だいたい 笑っている
でも
たまに かなしくて
たまに おちこんで
たまに むなしくて
たまに せつなくて
たまに 泣いている
しかも
ごくたまに しょぼくれて
ごくたまに ねたんで
ごくたまに にくんで
ごくたまに さげすんで
ごくたまに 立ち止まって振り返る
そして僕らは たまのたまに
同じ痛みに気がついて
あるいは いつもの朝と夜に挟まれて
ある瞬間に ふと人の痛みに気がつけて
ひとの涙を思い出して めをふせる
きみがいる
ぼくがいる