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[171487] とある冬の恋物語

詩人:どるとる


白い雪で 埋もれた道に足跡を残して
僕らは馴染みの喫茶店でいつものコーヒーを飲む
窓の外は 雪景色
綺麗だね
なぜかコート羽織る季節は
どうしようもなく悲しくなるのさ

ひとりぼっちのこの胸が凍えてしまわぬように 優しく抱き止めていて

何もできない僕だけど 死ぬまでそばにいるからそこんとこよろしくね

つまりはあなたの一番でいたいのさ

素敵な並木道も 冬になれば 何もかもが白く染まり まるで時間も止まったかのよう
それでも僕らの時間は確かに流れ続け
さよならの言葉を残して 遠ざかる後ろ姿が涙でにじんでゆく

まるで何かの映画のワンシーンのように
振り返る二人
目と目が合った瞬間に 気づくよ 愛し合った二人は

久しぶりとも言わないまま うつむいて走り去る君をただずっと見つめていた
僕の胸が少しずつ凍えてゆくのがわかった

愛とは時にこれほどまでに人の胸を寂しくさせるのか
知らないあいだに大人になったけれど
それだけに切なさを知るんだね
吹き抜けてゆく冷たい風が涙さえ凍らせる

とある冬の恋物語
都合のいいハッピーエンドは訪れぬまま
幕は降りるのです。

2011/10/05 (Wed)
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