詩人:どるとる
僕の真似をできるかい? 僕が笑ったら笑えるかい?
人の真似をするならば
良いところだけにしなさい
『人の振り見て我が振り直せ』 そんな言葉が頭をよぎるけど
周りを見回してみればみんな同じような輩ばかりだ
とても参考にできたもんじゃないなあ
パントマイムで目の前にありもしない壁をつくるように 他人との接触を断って 独りになりたい
そんな毎日 そんな毎日
僕は暮らしてるんだ
人の真似ばかりしていたら 独自性が失われて 挙げ句の果てには自分で考えることもなくなる
親は子を育てる
いい子にしようと奮闘して あっちの進学校にこっちの有名企業にぶち込もうと世の中を駆けずり回る
いい気なもんだ 早いとこそういう奴は死んじまえばいい
いい子って=心のない奴らのことをいうんですか?
人を人として見ない大人のどこを 見習えというの 僕にはそんな奴はなんの良さもない 無関心が服を着て歩いているようにしか見えないんだよ
パントマイムで目の前にありもしない 宝物を想像し 奪い合う 綱引きの国 日本はどうだい? 何かを奪い合うように 誰かを犠牲にしてないかい? 一人一人が 該当しないといえるかい?
パントマイムで目の前にありもしない壁をつくるように 他人との接触を断って 独りになりたい
そんな毎日 そんな毎日
僕は暮らしてるんだ
もう 何も 特別なものなど望まないから
シャッターきるように ボタンひとつでなんでもできてしまえる時代には 古いかな
でも 思わずにはいられない
心の教えはどこに消えた? 誰か知らないかい?
いやに冷たくなった人も街も
そして僕という若者は希望や期待を胸に
街の中で働けど
失望と絶望がないまぜになった感情を抱えて 見上げた空
虚空を泳ぐ眼差し
明日さえ見えない日々を 彷徨う
そしてまた僕は
人の真似して
群集の中に紛れ込み上手なピエロを演じてる。