詩人:甘味亭 真朱麻呂
窓っていろいろあるね
この窓からはなにが見えるかな
あたたかい家族の笑い声かい?
それとも一人泣き崩れる人の姿かな?
明るい景色だけじゃないさ
たまに命を投げ出した人の影も揺れている
そんなもの映す窓もまた悲しいんだよ
でも あたたかいぬくもりはその窓から心へとはこばれるんだ
いつもいつでもいつまでもその窓から心へとはこばれるんだよ
どんな窓からも
見える景色
千もの窓からも
億からの窓からも
窓のある数だけある景色とドラマ
殺風景な部屋
誰もいない廊下
古びた教室
今は使われてない倉庫
公園の公衆トイレ
いろんな場所に窓はある すべて開けるためにあるのさ、またかつては開けるためにあったものなのさ、かたく閉じられても忘れないで
何気ない景色をカメラで切り取ったらそれはひとつの窓だから のぞける
美しい景色
それこそが慕情
だからぬくもりは窓辺から吹き込むよ。