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詩人:どるとる
冷たい風に吹かれ
ふいに心射抜かれて
言葉をなくして
立ち止まるいつもと同じ帰り道
僕はどうして生きている?
僕はどうして生まれたのさ?
誰か答えてくれないか?その答えを知っているのなら
道端に群れをなして
動き回る アリたちを知らず知らずに 踏みつぶしたって 何も感じなくなったら
僕らはもう人じゃない
いろんな出来事を適当に片付けて
様々な悲しみや喜びに理由をつけて
僕らは その足を止める
思い返せばすべてがまるでひとつの映画のように
ばらばらのストーリー
手繰り寄せれば あらすじのある物語
何気ない横顔に
いくつもの場面が見て取れるだろう それをたやすく笑い飛ばすことは誰にもできやしない
教えてよ 目の前に広がる世界が 嘘っぱちでもはては幻でも
僕らは受け入れるしかないのだから
そこにある愛や
優しげな微笑みに
僕らの生きる意味があるからまだ 僕はこの世界を去れないよ
ロマンもなければ夢もない日々だ
それでも僕は限りなく明日を目指す物好きな旅人
さあ 進め
終わりのない最果てを目指すための旅へ
明日からまた明日へと続いてゆく日々よ
僕を置き去りにして
いつかは すべてが夢のように終わっても
僕が見たはずの光や感じたはずの確かなぬくもりを忘れない
僕の存在はやがて影ごと消えても きっと無意味じゃないんだ。