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詩人:甘味亭 真朱麻呂
人の記憶はまるでチョコレートだね
冷めたように感情が冷たいときはしばらく溶けないけど
とたんに熱くなると意外と忘れてしまう
都合のいいことはおぼえられるのに都合の悪いことはすぐに記憶から溶けて消えてゆく
ベタベタとしたチョコレートみたいに少しずつ完全に消えるのさ
存在の影だけをなんとなく残したまま
綺麗なメロディのオルゴールが部屋に響いてる
キミはどこにいるの?
それさえチョコレートのように忘れてしまうボクはバカかな
それでもチョコレートのように忘れてしまわなければきっと
壊れていた 壊れてた
チョコレート メモリーズ 甘くせつなく心の中の記憶を溶かす魔法の言葉
遠い未来まで引きずってきていい記憶じゃなかったら
とっくにさよならしたことさえ忘れてしまった 悲しいね
でもボク自身がそれを望んだんだ
そんな事さえ忘れてしまうから
やっかいな言葉さ
チョコレート メモリーズ 甘すぎてむせる のどの奥が熱くなる
何故か涙流すボクはボク自身が不思議だった 不思議だったよ
何故泣くのかな
ああ こんなに悲しいのは何故かな
何故思い出せないことがこんなに悲しいのかな 何故ボクはわからないことに悲しんでるのか それが悲しい
チョコレートはおいしいけど後に残るしつこさが失恋と同じだね
忘れたつもりでも溶けきれない記憶。