詩人:どるとる
遠い昔 どこぞやの国に扉職人がいました
木の扉 鉄の扉 紙っぺらの扉 なんでもござれの職人さん
だけどある時何もない空間に扉があって通り抜けたところとは違う世界に行ける扉があったらいいなって思ったんだ
あれ何かの漫画のようだね 扉をくぐったら そこは 不思議な別世界
さあ 扉職人に頼むとしたらそんな扉をつくってほしい
どこにでも続く扉
扉職人は 言いました
夢みたいなこと言ってないで
あんたも 自分の一軒家に続く扉を頼めるくらいの 財を持ちな
皮肉を言われちまったよ
所詮僕の家の扉は
小さなワンルームへと続くアパートの扉。