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[116662] さざなみ

詩人:快感じゃがー

柘植櫛の
折れた破片



あと 少し

あと 少し



一歩
踏み出した途端

障子を
突き破って



あの日の
瘡蓋を

突き破って







僕の静寂を

貫いた










燃ゆる炎は
蜷色




求めては

なお遠ざかる
小指に



毎夜
乱されて

敵わんのだ












さざなみよ

教えておくれ



如何すれば
君に触れられる




さざなみよ

答えておくれ



如何すれば
君を留めておける







篝火にくべて
燃やしてしまえたら


或るいは
君の背に乗せて


そっとそっと

遠くへと



流してしまえたなら..










澪標


捧げた日は
今いづこ








言いそびれた
言葉と

捕まれた左腕が


未だ痛む







そう
きっと

後悔に
溺れたかったんじゃ

なくて


近くなる程に
見失っていった

ふたり












燃ゆる愛は
玉虫色



きらきらと
反射して



空を仰いだ
其の目に

映る世界を


総て
握り締めたかった



此の手に
差し出して

欲しかった



それだけで







けれど


叶わぬものに
掻き乱される

刹那さ





狂おしい程

離れられずに居る
横顔に


初雪の色は
もう

重ね合わないね










いつも
透明な涙を流して

俯く


愛しくて



でも
最後まで

擁けなかった君へ







さざなみは
二度と

帰っては来ないから



燃え尽きた朝顔

今夜は
抱きしめて

眠るから

2007/12/11 (Tue)
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