詩人:高級スプーン似
木曜日の三叉路
どちらに転べば
解放されるのか
選んだ先にあるトンネル
蜜柑の皮が
こたつの中で燃えている
そんな道が続く
隣のきみは
笑っているようで
他の誰にも
見られないように
表情を曇らせて
泣いている
ぼくはその手を
ぎゅっ、と掴んで
離さなかった
そうでもしないと
乖離して
白い蛇みたいに
死んでしまいそうで
結局
きみは嫌がって
離れていく風船の糸
高く跳んでも
届かなかった
そろそろ
みんなが眠る頃
それでも寝るには
まだはやく
照明の落ちた空に
手をかざす
合間を縫って
流れてきたのは
ひとひらの