詩人:どるとる
嘘ばかり ついて
自分を棚に上げて
全くいい気なもんですね
上手な世の中の渡り方 心得てるみたいだ
べつにうらみはないですが 誰でもいいから殺したかったから
殺してみただけ
平然とした顔で
語る壊れた心を抱えた 人々の中にも 僕らと同じ血潮が流れている
辞書で 引いてみた
希望や愛という言葉の意味には その裏に隠された闇は書かれてなかった
僕らの生きるこの世界は 面倒なことばかり あふれている
そして人はまた人に嘘をつき 僕もまた誰かに嘘をつかれ
誰かのことを知らず知らず傷つけて 僕も同じように誰かに傷つけられ お互い様に傷だらけ
世情や時代といえば
それでおさまってしまう話だが 悲しい時代だね むなしさがあふれている
遠い遠い昔話の中に葬られている人々の努力や 苦労が 忘れられていくような
時代に埋もれてゆくような そんなイメージを 僕は拭えない
それも世情や時代だから仕方ないといえば笑うこともできるだろう だけど拭えないむなしさが 切なさが 僕の心に雨を降らす
世情や時代という言葉でごまかされ 大切な何かにモザイクがかかって 何も肝心なことが見えない
群集の中で感じる孤独のように
広い海の真ん中に取り残されたような
そんな気持ちがぐっと僕の心をしめつける
世情や時代という言葉で片づけられてしまったら きっとなんでもかんでも それでごまかされてしまえるね
僕の住む街の中
誰かが働く会社の中
勉強にいそしむ学生たちであふれた学校の中
たくさんの場所に
咲いた 世界にもある残酷な場面
うまく言葉にならないけれど
僕が見ているのはほんの小さな範囲
まだまだ おかしなことはたくさんあるぞ
ほら 君の傍にも
そんな時代に必要なもの
そんな時代だから必要なもの
あるはずだよ
何かが足りず
何かがおかしな
世の中に欠けたピース
全く絵にならない世界。