詩人:甘味亭 真朱麻呂
心の中に棲むもう一人の僕が表の僕に話しかけてくる
なぜお前は笑わないんだとかうるさくて黙ってほしい
表と裏じゃまるで正反対 どちらが本当の僕かな
目を開けたら僕が僕じゃなくなる気がして
闇から抜け出すチャンスをやすやす逃して
笑っていられるほど孤独にも慣れ始めた僕
その姿はまるで借りてきた猫みたい 他人の言うことにホイホイと付き従うだけ
さびしくにゃーお
悲しくにゃーお
鳴き声が低く響く夜には眠れないほど意識がはっきりしちゃって不安がいつどこから襲うかと思うとこわくてとじた目をあけられない
弱虫な七星テントウ
七つの悲しみ抱いてる
その背には光る星形の傷跡
みんなはかっこいいと嘲る
本当勝手なもんだよ
殴りたいくらいいら立つ日々は悲しすぎて明日をもしれぬ感情の爆発を必死の思いで止めようと試行錯誤
繰り返す悪あがき
猫みたいに小さな体を震わして夜の闇の中でひときわ目立つ孤独な光
空気抵抗もなくパンッと飛ばされる
重力さえ無視するから浮き上がった体が妙にスカスカ
僕 空っぽだ
中身のない空き缶だ
透明人間だ
あれ僕の存在って一体なんだろ?
その一言が傷跡をひらかせる その瞬間あふれた涙と赤い悲しみ
そしておなじ頃背中のほうで干からびた翼が欠ける音
パキポキ ボキッ…
これで僕は飛べない鳥
苦笑いで涙を隠す
隠せない悲しみは鼻水だと笑う
そんな青い夜
気がつけばはるか昨日
なんだかなあ…
いろんなことに絡まる現実の糸
なんだよなあ…
起爆スイッチは
赤か青か
そんな単純な二択問題なら楽に逝けたのに
なぜ…こんなにも僕らの真実は難解を極めるのか
だれか教えて…?
だれか伝えて…?
この頭の中を埋め尽くす謎の糸をぜんぶほどいてみせてよ