詩人:快感じゃがー
掴めない
ぜんぶ
すり抜けて
灰になった
馬鹿ねって
笑うあなたを
遠巻きに
わたしは走る
走る
たまに歩く
つまずいて
でも痛くなくて
そんなユメを
見てるのかな
はっとして
深夜と明け方の
境目あたり
物音に目覚めた
人影はなし
置き手紙だけ
残されただけ
嫌になる
いらないものは
身につく癖に
欲しいものは
手にはいらない
ぜんぶぜんぶ
すり抜けて
なくなっちゃうんだ
走る
走る
疾走して
失踪する
探さないでください
なんて
白々しいと思わない?
探して欲しいって
言ってるようで
疑り深いわたしには
きっと
なにひとつ
掴めないだろうね
窓にかけた
Yシャツ
くしゃくしゃにして
わたし
ひとり
脳内疾走
嫌になる
だけど
思考は
止まらずに
あなたの愛だけ
手繰り寄せている