詩人:sorara
PSPほしい
弟の口癖だ
母は困った表情で
誕生日まで待っててね
一ヶ月前からの聞き慣れた二人の会話
正直俺も欲しかった
ある日
学校の友達が安く譲ってくれた
PSPほしい
誕生日にね
またいつもの会話
なぁ、兄ちゃんPSP貰うんだけど貸してやろーか?
軽い気持ちで言った一言に弟は喜んだ
少し俺も迷った
次の日
少し迷ったけど弟に1番に貸してやった
弟は冷蔵庫からジュースをもってきた
「これ、あげる、ありがと兄ちゃん」
おそらく給食に出たジュースだろう
たかがジュースだけど
給食の時俺の為に我慢したのかと思うと
なんか恥ずかしくて
迷った俺が馬鹿みたいだった
純粋な瞳はなぜか俺には嬉しくて
なぜか涙があふれた