|
詩人:里雨夜
猫の額ほどの夜が長く伸びて
誰かの欠伸の傍らで
戦争は続き 虐めは消えない
ベッドの中 無償の愛に包まれて眠る子供と
同じ空の下 吹きさらしで身を震わせて眠る子供がいる
雨の中でも
きれいに咲いている花もあるよ
悲しみの中でも
笑っている人もいるよ
君のように
世界の隅々
知り得もしない誰かの死や不幸は わからないけれど
僕よりも ずっと多くの苦しみを知っている人もいる
だから
自分だけが悲しいと思わないで
シミだらけだよ
きれいなように見える世界でも
あなたがいう平和は
見えている範囲の中だけだ
生きたいと叫ぶ声の裏側で
自ら命を断つ音が響いている
ほら、耳をすましてみれば誰かの涙の音
けっして
誰もが生きることを心から望めるような世界じゃないんだ