詩人:甘味亭 真朱麻呂
深い土の中から叫びにも似た声をあげて
冬の寒さをものともせず必死に咲こうとするか弱き一輪の花
僕の中 君の中 世界中 芽吹くだろう
春のおとずれとともに また何もかも真っ白いページに一年間の抱負を描くところから始まる
冬の雪にうもれて桜の花びら舞う道を思い浮かべる
雪だるまをかじかんだ手でつくりながら人はなぜか春を想う
夏になればああ寒いほうがいいなというし
冬になったらなったで暑い夏がいいなと毎年いうし
秋や春の気持ちいい季節には一年中こんな陽気ならいいなとつぶやく
でも本当はどんな季節にもそれぞれいいところや思い入れがある
たとえば冬の寒くもさえたあの空気が好きだし暖炉のあのあたたかさが役に立つのは冬だけだし
またいいものさ
夏だって暑いけど夕暮れが綺麗だったり星空が綺麗に見える
だから一つとして嫌いな季節なんてないのさ
春夏秋冬 揺れる街並み その中で流した涙 浮かべた笑顔
忘れられない思い出の数々 もはやアルバムには入りきれない一瞬一瞬の輝き ふとした仕草のカワイいこと カワイいこと
心の中に刻まれてる
消えないで 僕の思い出よ
雪の舞う道の上で
枯れ葉舞う道の上
涙舞う道の上で
人は思い出を笑ったり涙ながらに語る
そしていつかその何度かの繰り返しの中で命を落とすから
悲しいのさ
嬉しいのさ
切ないのさ
いろんな気持ちが混ざり合って重なり合って季節は四つの魔法で回るんだよ
春の国
夏の国
秋の国
冬の国
どれ一つとしてあって無駄な季節などない
すべてが宝物
その季節じゃないと残せない思い出があるし僕にもある
すべてが宝物
きらめく夢の旅
僕は季節の旅人
春夏秋冬 めぐるツアー
悲しみと喜びと…
それから…
言葉じゃとても言えやしないや
春夏秋冬 ありがとう。