詩人:どるとる
ありふれた日々の中
大事なものはなんですか?
何かを失ったり手に入れたりしながら
地図もない毎日を
今日もとぼとぼ歩いています
悲しみも喜びも
誰にとってもおそらく等しいはず
同じように同じものを見て感じているのに
一人一人考えることはだいぶ違うようだ
僕の中には何もない
探しても何もない
誰かを愛すことも
誰かを思うことも
できることならしたくはないのだ
理由などないけれど
からっぽになりたい
炭酸のぬけたコーラのように味も素っ気もなくなって
いっそすべてのことから 脱したいのだ
当たり障りのないよう
嫌われぬよう付き合いを続けても
ちょっとした気の迷いで人と人の仲はこじれ
考え方の違いをそこに垣間見る
夢も希望も
実力無しには光り輝かぬものだろう
同じように同じ場所に生まれ同じ教育を受けても
頭の良し悪しで実力の差は離れていく
僕の中には何がある?
僕には何が残ってる?
希望を持って生きるとは 笑いたくなくても無理に笑うということがそれに繋がるのか
意味などないと思うけどからっぽになりたい
サイズの合わなくなった靴のように取り替えられたらいいけれど
生まれてしまった以上 窮屈でも仕方ない
ああ なんのため
僕は生き
ああ 誰のため
僕は生まれ
ああ 何をしに
僕はここにきた
わからない
わからない
からっぽの僕だ
色のない僕だ。